PAと言ってもすごく幅が広いので、ここでは「演劇」に関わる舞台音響の仕組みについてお話します。
まず、「演劇において音響さん、PAさんって何をする人?」てところから。
簡単に言うと「劇中で音楽や効果音を流す人」なんですが、そこで終わっちゃうのもアレなので、もうちょっと細かく説明しますね。
一括りに「音響さん」と言っても、業務内容は多岐に渡ります。
・プランナー
・エンジニア
・オペレーター
ざっくりこんな感じかな。
1.プランナー
作品中の音響プランを組み立てる人。どのシーンでどんな音楽を流し、どんな効果音を使うかを、演出意図に沿って考える人です。デザイナーって言ったりもします。
また、音の響き方や聴こえる向きなどの「聴かせ方」まで考えてプランニングしていく場合もあります。
小劇場やアマチュアの場合は、使用する会場特性などもあってそこまでする必要がない場合がほとんどですけどね。大半は音を入れるタイミングや流す音楽を決めていくのが主な内容なので、演出家が兼任することが多いセクションです。
2.エンジニア
どれだけプランナーさんが素晴らしい音響プランを考えても、設備や機材との兼ね合いというものがどうしても出てきます。
これを解決するのがエンジニアというセクション。
プランナーさんが考えたプランを実現するにはどんな機材が必要か、現状使える機材でどこまでなら再現できるのか。こういったことをプランナーさんと打ち合わせながら、本番の会場音響設備を整えていくのが主なお仕事になります。
市民会館などでは専門の管理・施工業者が常駐しているので、そういった業者さんがエンジニアの役割を担っている場合がほとんど。
3.オペレーター
エンジニアさんがセッティングした機材を、プランナーさんの立てたプランに従って、実際に操作する人です。「PAさん」と言ったらだいたいこことエンジニアさんを指します。
最低限の機材知識は欲しいところですがエンジニアが近くにいてフォローできる場合もあるので、その作品に出演しない役者が持ち回りでオペレートを担当したりするのはよく見かけますね。
まとめると、
「音響プランを組み立てる」「会場の音響設備を整える」「機材を操作する」
が主な音響さんのお仕事です。
これを複数人で分担する場合もあれば、一人でやっちゃう場合もあります。
ウチの場合は、プランニングは俺と演出とで打ち合わせながら。
エンジニアリングは、市民会館など常駐スタッフさんのいる会場は俺と会館スタッフさんと打ち合わせながら。いない場合は俺の独断で(笑)。
オペレートは俺のワンマンオペ。
小~中規模のホール公演や小劇場公演の他、お祭りなどのイベントステージ、個人経営のお店(喫茶店とかバーとか)での上演まで、場所を選ばず上演する機会を頂くので、最低限の専門知識を持った常駐スタッフが必要、ってことなんでしょうね。
というより、そうやってるうちに俺に知識と経験が身に付いていった、という感じです。
まぁ、別の場所でも書いていますが、学校で勉強したわけでも、プロに師事したわけでもなく現場で覚えたことを自分なりの解釈でやってるだけなので、まだまだ知らないこと、わからないことの方が多いんですけどね。